ガタッガタッ…
電車の揺れる、独特の音がする。
人気のない電車の中で、風呂敷を胸に抱いた雪が一人揺られていた。
向かい合った、ボックス席にポツンと座っている。
雪は、お使いの真っ最中だった。
膝の上にそっと置かれた風呂敷包みは、薫に頼まれたお使いの品だった。
…
「雪、お使いを頼めますか?ある人に会って、頼んだ品物を受け取ってきて欲しいのですが…。」
「はい、かしこまりました。」
簡単な会話の後、雪はメモを渡され、書いてある住所の場所に向かった。
あっさりと、品物を手に入れると電車で屋敷への帰路につく。
…
電車での移動は珍しい、普段は屋敷の車を使うのだが、今日は何故か電車での移動を課せられたのだ。
「はぁ…。」
一人、窓の外を眺めていると、ため息が自然と出てきた。
(一人ってなんだか、つまらないなぁ…。)
屋敷のある駅までは、まだ何駅もあった。
ただただ、静かな時間が流れる…。
ゆっくりした時間の中で、雪は睡魔に襲われ、いつの間にか、うとうとと眠りについていた。
…
ふわふわとした、温かい感覚に包まれながら、うっすらと目をさます。
(あれ、私…眠って…。)
!!
「えっ?」
目を覚ますと、雪を包み込む腕が目に飛び込んできた。
雪は、眠っている間に、何者かに、膝の間に抱きかかえられる様にして、抱きしめられていたのだった。
慌てて声を上げようとすると、大きな手に口をふさがれる。
「うぐっ…。」
「しっ、静かにしろ…。」
低い、男の声が耳元でした。
(だっ誰?…)
雪は、恐怖で震えあがる。
「おとなしくしてろよ、そうすれば、可愛がってやる。」
男の声がすぐ後ろでする…
その言葉のすぐ後に、首筋をすーっと舌で舐められ、この男の目的が、雪の体だということがすぐに分かった。
男の手が雪の服の中に忍び込み、小さな突起を見つけるとすぐに弄び始めた。
「やっ…だっ」
声をあげようとしたが、すぐに口をふさがれてしまった。
「うるせぇ、誰かに見てもらいてぇのか?、しょうがねぇ奴だな、これでも咥えとけ!」
男は、雪のポケットに入っていたハンカチを丸めて口に突っ込んだ。
「うぐっ…んんっ」
苦しくて、恐ろしくて、涙があふれてくる…。
男は、かまわず、雪の乳首をぐにぐにと厭らしい手つきで弄りまわす。
(やだっ…気持ち悪い…っこんなの、やだよぉ…。)
御主人様以外の人間に、触られた事は一度もない、こんなに、気味の悪いものだとは、思ってもみなかった。
男は乱暴に、ズボンのチャックを降ろすと、中から小さく縮みあがった雪のおちんちんを取り出した。
(いやぁ…やめてっ…いやだぁぁっ…。)
大きく首を横に振る。
「そんなに嫌がるなって、よくしてやるから。」
そう言うと、男の手が雪のおちんちんを包み込む。
片手ですっぽり収まってしまうくらい、萎えきっている。
さっきまでの乱暴な手つきとは違い、ゆっくりと穏やかな愛撫…。
緊張と、恐怖を拭い去る様に、そっと撫で上げられ、扱かれる。
玉も優しく揉み解され、だんだんとおちんちんが反応し始めた。
(えっ…やっ…なんでっ…やだょぉ…感じたくないっ…ううっ…。)
心とは裏腹に、熱を持ち、硬くなっていくおちんちん…。
「おいおい、さっきまで、嫌がってたわりに、淫乱な体してるじゃねぇか。」
先から、出てきた先走りを人差し指の腹ですくい、雪の目の前で、すり合わせる。
人差し指と、親指をすり合わせて離すと、つぅっと糸を引く。
それを嫌というほど見せつけられた…。
完全に勃起した、おちんちんを扱いたり、先っぽを強く刺激したり、好き勝手に弄りたおす。
(やぁ…ああっ…ゃぁぁっ…)
嫌で、嫌でたまらないのに、おちんちんがどんどん気持ちよくなっていく。
「おいおい、男に悪戯されて気持ちいのかよ、変態がっ!皆に見てもらうか?」
小さな声ではあるが、はっきりと、雪の耳に響く、酷い言葉…。
恥ずかしさと、悔しさで、涙がぽろぽろと溢れ出て、男の手に落ちる。
それを感じた男の手は少し躊躇するように動きが鈍った。
(ん?)
違和感を覚えたのもつかの間だった、今度は男の手がお尻の方へと迫ってきた。
すべすべの肌を這う様に、指が進み、アナルを見つけるとずくに、そこばかりを責め立てる。
犯す気だ!雪の顔がみるみる青ざめ血の気が引いてゆく。
(ううっーー…ああっ…いやぃぁぁぁぁ…だめっそこっそこだけはっ!だめぇぇぇぇぇぇっ…っ。)
雪は、身をよじり抵抗した。
(御主人様以外の男の犯されるなんて、想像もできない。吐き気がする!もう、なにをされたって構わない、見知らぬ男に犯されるくらいなら、御主人様を裏切るくらいなら…。)
覚悟を決めた雪は、必死に暴れて抵抗した。
それこそ、手が着けられないほどに髪を振り乱し涙でぐしゃぐしゃの顔をめいいっぱい振った。
もう、なりふり構ってなどいられない、周りに気づかれたって構わない。
(誰か…誰か助けてぇ…御主人様っ!)
すると、不思議なことに、暴れる雪の体を押さえつけていた力が、すっと弱まり、口の中のハンカチが取りだされた。
そして、次の瞬間、雪は、激しく口づけられていた。
…
「雪…僕ですよ。」
「えっ?ごっ御主人様…?」
そこには、見覚えのある顔があった。
「なんで?えっ?どうして?…」
突然のことで、パニック状態の雪を薫はそっと抱きしめて、唇で涙を拭う。
「いや~、気がつかないものですね、ちょっと、声色と話し方を変えただけなんですけどねぇ。」
いつもの、優しい薫の声がする。
「酷い…私…本当に…こわかっ…たっ…のに…。」
安心したら、また、涙が溢れて来た。
半裸の雪を抱きしめて、落ち着かせる。
「すみませんでした。雪があまりにも可愛い反応をするので、つい意地悪しちゃいました。」
「意地悪なんて、可愛いものじゃなかったです!」
すっかり、落ち着きを取り戻した、雪はこの状況を把握し、怒りが込み上げてきていた。
(御主人様が、こんな酷い事するなんて…。)
謝り続ける、薫を無視し続けていると、ふと、抱きしめる腕が目についた。
さっきまでの、プレイが頭の中を駆け巡り酷い言葉が聞こえて、雪は、号泣した事を思い出す。
(でも…あの時…。)
薫の手が一瞬怯んだ気がしたのを思い出した…。
(あっ…あの時、御主人様は…)
「雪?まだ怒ってますか?」
「うっ…ずるい…っ。」
薫に聞こえないような小さな声で、呟いた。
雪は、黙って薫の胸に顔をうずめる…。
「続き…して下さい…」
「えっ?」
「こっこんな中途半端にされたんじゃ…私…」
見ると、雪のおちんちんは硬くなり始めていて、解された、アナルがひくついている。
「良いんですか?僕を許してくれるんですか?」
雪は何も言わずに、薫に口づけた…。
「んっ…。」
珍しく、積極的な雪に薫は、戸惑いながらも、手はお尻の方へと伸びていた。
くちゅっ…
「あうっ…んんっ…」
細く長い指が、アナルを広げる…。
「あまり、大きな声を出してはいけませんよ、いくら人が疎らだからと言っても見つかってしまいますからね。」
雪は、こくこくと、首を縦に振った。
雪が腰を浮かせると、薫が、いきり立った、おちんちんを取り出し、雪のアナルにあてがう。
「そのまま、ゆっくり腰を落として下さい。」
「んっんんんんっ…」
唇をかみしめ、声を我慢しながら、ゆっくりおちんちんを侵入させる。
奥深くまで、咥え込むと、電車の振動で小刻みに良いところを突かれる。
「はぁっはぁはぁはぁっ…あっ…」
さっきまでとは、全然違う極上の気持ち良さが襲ってくる。
(御主人様…ああっ…薫様ぁ…。)
薫に犯されている幸せだけで、いってしまいそうになる。
「雪…エッチすぎます…ここ電車の中ですよ…っ。」
雪には、窓の外を流れる景色なんか、もう目に入っていなかった。
「そろそろ、駅に着いちゃいますね、ラストスパートといきましょうか?」
そういって、薫は窓の方に雪を向ける態勢をとると、思いっきり突きあげる。
「んぐっ…ふふんっ…はぁ…っくっ…。」
窓に映し出される、自分の厭らしい顔…。
薫と繋がっている部分まで、丸見えだった。
ふと、窓の外を通り過ぎる景色の中に人を発見した。
(あっ…見られちゃってるかも…)
「うっ…はぁっ…」
次の瞬間、薫が、雪の中に温かい精液を放つ。
(うあっ…ぁぁぁっくぅぅぅっででるぅぅぅぅっ…お尻に精液…出てるぅううっ…)
雪も、身体を震わせて、射精した。
びゅるっ…びゅるるっ…
びくっびくっ
窓に映る自分の顔に白い精液がどろっとかかり、厭らしい顔でこちらを見つめている…。
まるで、自分で自分に、顔射したような、気分だった。
手際よく、支度を整え、窓の精液を拭うと普段の二人に戻る。
二人並んで、仲良く座っている姿を見ると、まるで兄弟のようだった。
「次は●●~●●~。」
車内にアナウンスが流れる…。
電車がホームに着き、二人は仲良く、電車を降りたのだった…。
終
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