二人がお互いの胸の内を確認しあってから数週間が過ぎた。
「旦那様~旦那様~。」
コンコンッ
樹里が、楓の書斎のドアをあける。
「旦那様、お客様がいらっしゃっていますが、お通ししてもよろしいですか?」
「ああ…。」
相変わらず、言葉数は少なかったが、その表情は、樹里を見て、微笑んでいた。
樹里は言われたとおりに、お客様を部屋へとお通しすた。
だが、樹里には一つ気がかりなことがあった。
ここ数日、毎日と言っていいほど楓に会いに来るこの客である。
その客はとても、美しい女性だった。
楓は、滅多に人を屋敷に招かない。
その客とどんな関係なのかも、どんな用事で来ているのかも、樹里にはわからなかった。
「どうぞ、こちらです。」
胸の中のもやもやを押し込めながら、女性を案内する。
楓の部屋のドアが閉まる様を樹里はそっと見つめていた。
…
日も暮れた頃女性は楓に見送られて帰って行った。
(良かった…。)
ほっとしたのもつかの間、美しい二人が並んだ姿を思い出す…。
二人の並んだ姿はとてもお似合いで、羨ましく思った。
(私がせめて女だったら…でも…)
樹里の心の中のもやもやが、どんどん大きくなっていく。
はじめは小さな胸の痛みだったのに…
そして、樹里の中の不安が日に日に大きくなっていった…。
樹里が熱を出して倒れた日以来、楓は樹里をとても優しかった。
(でも…旦那様は、私に触れようとしない…あの日のように激しく私の唇を奪って欲しい…優しく抱きしめて欲しい…)
樹里の卑しい思いばかりが膨らんでいく気がした。
(やっぱり、旦那様は私のことなんて…)
そんなことばかり考えてしまう。
胸が締め付けられる…
樹里の瞳からじわりと溢れた涙が一筋頬を伝った…。
…
今日も、あの女性が屋敷を訪ねてきた。
楓の部屋の場所を覚えた女性は樹里の案内など無視してどんどん進んで行ってしまう。
楓の部屋に入ると早々とドアを閉めてしまった。
「旦那さま…。」
…
夜になって、楓が女性を見送って部屋に戻ってきた。
樹里は不安な気持ちを悟られまいと、精一杯の笑顔で向かえる。
「…どうした?。」
「えっ!」
「浮かない顔をしている…悩み事でもあるのか?」
樹里が、自分に気づかれないように頑張っていたことに楓は気づいていた。
「いえ…なんでもないんです。」
涙が溢れそうになるのを抑えながら、ふいっと後ろを向いてそれを悟られないようにした。
しーんと静まりかえる部屋…。
楓が近づいてくるのがわかった…。
震える樹里の身体を後ろからそっと抱きしめる。
大きな楓の腕に包まれて我慢していた気持ちが責を切ったように溢れ出す。
「私…わた…し…怖くて…。」
「怖い?」
「旦那様に捨てられてしまうんじゃないかって…ぐすっ…」
涙が楓の手にこぼれる。
「樹里…泣いているのか…?」
「よく、おいでになる女性っ…旦那さまと、とても親しそうだったから…私…不安で…。」
私の胸の内をさらけ出す。
「樹里…そんな事を気にしていたのか…。」
「申し訳ございません…私…。」
楓の手が樹里の肩に置かれ、くるっと向き直らせる。
向き合う態勢だが、樹里は楓の顔を見ることができないでいた。
(こんな泣き顔…。)
楓の手が俯樹里の顔をくいっと上げる。
「樹里、心配することはない…俺はお前を手放しはしない。」
真剣な眼差しに、樹里はぎゅっと楓に抱きつく。
逞しい胸板に顔を埋め溢れる涙を拭った。
樹里の気持ちが落ち着くのを待って、楓がふと問い掛けてきた。
「しかし、何故俺を信じなかったんだ?」
樹里は、はっとして顔を上げる。
少し不機嫌な顔をしている楓に樹里は慌てて言う。
「違うんです…信じていたんです…。でも…」
また、顔を楓の胸に埋める…。
「旦那様が…触れてくださらなかったから…」
消え入りそうな声で呟く…。
樹里を抱きしめる腕に力が入った。
次の瞬間樹里の身体がふわりと浮いた。
「きゃっ…」
楓が樹里を抱き抱える。
「だっ…旦那様!?」
無言のまま樹里を抱えてベッドの上に寝かされ、そのままキスをした。
それは樹里が求めていた激しいキスだった。
「うぅんっ…ふっぁ…あんんっ…。」
長いキスが終わり、唇が離れると楓はボソリと呟く…。
「すまなかった…。俺はお前を見ているだけで、良かったのだ…そばにいてくれるだけで、毎日が幸せだった。それが、お前を不安にさせていたなんて…。」
いつもはとっても凛々しい楓が樹里だけに見せる顔。
楓は樹里をこんなにも想っていた。
嫉妬に狂って楓を少しでも疑った自分が、樹里は恥ずかしくなった…。
「抱いて下さい…私を…抱いてください。旦那様ぁ…」
楓にしがみつく。
二人はベッドの上で、きつく…きつく抱きしめあった。
…
「あっあぁん…はぁん…」
鼻にかかる甘い声が響く…。
ベットの中では全裸の二人が絡み合っていた。
「樹里…じゅり…はぁ…はぁっ…。」
熱に犯されたように樹里の名前を呼び続け、体中を愛撫する。
「あぁ…旦那様ぁぁ…」
「樹里…俺の…樹里…。」
胸元をきつく吸われ、肌に紅い跡が付く…。
楓につけてもらった印…。
本当に楓のモノになった感じがして、胸が熱くなる。
楓の唇がどんどん下に向かっていく…。
ついに、樹里のピンと立ち上がった、おちんちんに口づけられた。
「あっあぁぁぁん…はっ恥ずかしいっ…あっん…」
腰をもじもじさせながら、恥じらうが、しっかりと足を押さえ付けられていて、逃れられない。
先から溢れる液を舌で丁寧に嘗め上げられ、なめ回される。
つやつやの先っぽを口に含んで舌で転がす。
「きゃうんんぁぁぁぁん…あぁ…凄いっ…旦那様ぁぁ…。」
初めての感覚に腰が浮き、おちんちんが溶けてしまいそうに感じた。
「樹里…凄い溢れてくる…気持ちいいのだな…。」
首をぶんぶんと縦にふる。
声にならない快感が迫ってくる。
おちんちんを責め立てられ、お尻の方まで液が垂れてびしょびしょになってゆく…。
「ここも、物欲しそうだな…。」
「あぁ…はぁはぁはぁ…旦那様…あんっ…ください…ココにください…はぁはぁ…。」
恥じらいながら、手で少し広げて見せる…。
「いやらしい眺めだな…でも、初めてだから、よく慣らさないとだな…。」
楓は樹里を四つん這いにさせると、尻を鷲掴みにしてお尻の割れ目を広げる。
ぬるっとした舌が樹里のアナルを優しく解してゆく…。
「ああんっあんあん…あっはぁっ…んっ……。」
くちゅくちゅくちゅっ
「可愛いよ…樹里…お前のここは、ピンク色で綺麗だ…。」
「あんんんっ…いやぁぁぁっ…いわなっでくださっいっっ…もうっ…うんんっあっ…。」
シーツを握りしめて、声をあげる。
ちゅっくちゅくちゅくちゅっちゅぱっくちゅ
狭い穴に舌が入り込んでくる。
ふやけてしまうんじゃないかと思うくらい舐め続けられて、我慢が出来なくなる。
「もっ…はぁぁぁっ…もうっ無理ですぅぅっ…旦那様…いれてぇぇぇっっ…。」
「樹里っ!!いくぞっ…。」
いきり立った旦那様のおちんちんがアナルを押し広げて侵入してくる…。
ググググググッ
「いっつぅあっぁぁぁぁぁぁっんんっんんっっ。」
はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ
吐く息が荒くなる。
樹里のアナルは太く大きいおちんちんをゆくっりと根元まで飲み込む。
はじめて男のモノを受け入れたそこは、楓が十分すぎるほど解した為、思っていたより容易く侵入することができた。
だが、やはりぎちぎちの状態だった。
楓は樹里が落ち着くまで、律動を我慢する。
「くっ…きついな…大丈夫か?…。」
どんな時でも、楓は樹里を気遣った。
それに、きゅんっとなる樹里の心と一緒にアナルもきゅんと締まってしまったらしく、楓の顔が歪む…。
「旦那様…はぁはぁっ…私はもう…大丈夫です…はぁっ動いてください…私をめちゃくちゃにしてくださいっっ…。」
その言葉を聞いた楓は堪らず動き出す。
パンパンパンパンパンパンパンッ
よほど我慢していたのか、楓の律動は激しく勢いが衰えない。
「ああっああっあっあっあっ…だっなさま…んんっ…いっいいっ…はぁん…きもちぃぃぃっ…。」
はじめての感覚におかしくなりそうだった。
激しく肉がぶつかり合い、小さな体が揺さぶられる…。
ベッドはギシギシと揺れ、汗と涙で私の顔はびしょびょで、はぁはぁと息をする樹里の唇は楓の熱い口付けでふさがれいる。
「うんっんふっんんっんはっ…うぅぅっんんんっ…だんな…さまぁっ…なにか…はぁあっ…きますぅぅっ、ああっ…くるっ…おちんちんからっ…でちゃいますぅぅっ…。」
とっくに樹里の良いところを探り当てた楓はそこばかり、激しく責めたてる。
樹里は初めてのsexで絶頂を迎えようとしていた。
「旦那様っ…私…あっ…おかしく…なっぁちゃうっん…きゃんんっ…」
お尻の中を目茶苦茶に掻き回されながら、乳首をきつく吸い上げられる…。
「俺も…お前に…狂いそうだっ…樹里…愛してる…。」
愛してる…
その言葉を聞いた瞬間、樹里のおちんちんがカッと熱くなって、奥の方から迫ってきていた快感が一気に爆発した。
「だんなさまぁぁぁぁぁぁぁっ!」
あまりの刺激に意識が遠退く…。
樹里はお尻の奥に熱いモノを感じながら目を閉じた…。
…
失った意識は、すぐに戻ってきた。
静かに目を開けると、楓が心配そうに樹里を見つめている。
「大丈夫か?すまない、酷くしてしまって…。」
楓が樹里の髪をそっと撫でる。
樹里は、まだ、身体がふわふわしていて落ち着かない。
樹里の腹や胸は白い液で汚れていて、さっきまで楓をくわえ込んでいたお尻からコポッと同じような白い液が出てきていた。
それを見て樹里は、楓も同じ様に感じてくれていた事に嬉しくなった。
「旦那様…嬉しいっ、やっと一つになれて…。」
樹里、はまた、楓にしがみつく。
そして、優しく抱きしめられる。
二人は心も身体も満たされ、抱き合ったまま眠りについていた…。
…
朝の光りが窓から差し込み二人を照らす。
樹里が眠い目を擦りながら目を覚ますと目の前には楓の寝顔があった。
初めて、楓の寝室で一夜を過ごしてしまった…。
昨夜の事が鮮明に思い出される。
恥ずかしくなって、こっそりとベッドを抜け出そうとすると、いきなり腕を捕まれて引き戻された。
「どこへいくつもりだ?」
「朝の支度を…」
言いかけた、唇をすぐに楓に奪われてしまった。
「うんっ…んっ…」
甘い、甘い、とろけるようなキス…。
その時だった、いきなり部屋のドアが開き、あの女性が入ってきた。
「今日こそ、いい返事もらうわよ!って…」
ヅカヅカと入ってきた女性は二人の姿を見て呆然としている。
楓が固まっている女性に話し掛けた。
「こうゆう事なので、あのお話は断らせていただきます、叔母様。」
おっ叔母様!?
樹里は恥ずかしいやら、なにやらで、暫くパニックだった。
どうやら、樹里がヤキモチを妬いていた女性は楓の叔母で三十路にもなって、嫁も娶らないでいる楓に痺れを切らして、見合い話を持ち掛けていたのだった。
(それにしても、叔母様年齢不詳すぎる…。)
楓の説得で、二人がが真剣に愛し合っている事を知った叔母は渋々引き上げて行った。
帰り際、叔母様が樹里に囁いた
「暫くは、様子を見ます…。あの子を宜しくね…。」
前途多難な愛だけど、二人は今日も幸せいっぱいの日々を過ごしている…。
終
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